この記事では、前回の動画「ゲームボーイ(モノクロ) グラフィックが綺麗なゲーム 11選」で紹介した「P-マン GB」のグラフィックについて少し解説させて頂きます。
具体的な説明に入る前に、グラフィックの基本要素、「スプライト」と「BG(背景)」
について簡単に説明します。
まず「BG」についてですが、これは名前の通り「背景」の事ですね。
「スプライト」というのは、画面に表示されるキャラクターなどの事です。
細かい説明は省略しますが、以下の2点を押さえてもらえるとよいかと思います。
・BGとは背景の事で、その上にスプライトとしてキャラクターやアイテムが描かれる
・スプライトには表示上の制限があり、スプライトが縦や横にたくさん並ぶと、
表示が欠けてしまうなどの弊害が発生する
上記の動画は「P-マン GB」を スーパーゲームボーイでプレイしている映像です (映像は私の個人撮影)
スーパーゲームボーイにはちょっと面白い機能があり、スプライトを赤、BGを緑 で表示する事ができます。
キャラクターとアイテムが「スプライト」なので赤、背景が「BG」なので緑で表示されていますね。
ここで画面右側に並んでいるフルーツにご注目。
真ん中と左側のフルーツが半分緑になってますよね?
これは最初から半分緑になっていたわけではありません。
フルーツはアイテムなので、スプライトの赤で表示されていました。
ではなぜ半分緑になっているのでしょうか?
実はこれ、フルーツ同士が横に並んだタイミングで半分が緑に変わっているんです。
緑に変わっているという事は表示が「スプライト」から「BG」に変わっている事を意味します。
これはもちろんプログラムで意図的にこうしているのですが、その理由は先ほど説明した
「スプライトが縦や横にたくさん並ぶと、表示が欠けてしまう」
という状況を回避するためです。
つまりキャラクターや、アイテムが隣接しそうになるとプログラムでスプライトを一部BGに書き換えているんですね。すごいプラグラムです。
こちらの動画はアイテムではなく、敵キャラクターに注目してご覧ください。
自キャラも敵キャラもすべてスプライト(赤)で表示されています。
ジャンプして敵キャラを
踏もうとすると...
キャラクターが隣接した瞬間に敵キャラの上部が緑色(BG)に書き換えられます。
これは巨大なボス戦の動画。
ボスは緑で描かれているので、すべて背景です。
(スプライトの制限からゲームボーイではこのサイズのボスをすべてスプライトで描く事は不可能です)
ゲームボーイの性能を超えているような迫力のグラフィックの裏側はこんな風になっているんですね。
まだまだすごいシーンがたくさんある「P-マン GB」ですが、
かなり長くなってしまったので、このソフトについては ここまでとさせて頂きます。
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